FRD

ファストリカバリーダイオード(FRDFast Recovery Diode)の構造や働きは整流ダイオードと同じです。 整流ダイオードが、500Hz以下の低周波応用に使用されるのに対し、FRDは数kHz~100 kHzの高周波のスイッチングに使用されます。その為にダイオードのスイッチング性能である逆回復時間(trr)を速くしてあります。このtrrの値によりS-FRD、HEDなどと別名称で呼称されることがありますが、総称してFRDに分類されます。
一般の整流ダイオードのtrrが数μs~数十μsに対し、FRDは数十ns~数百nsと1/100程度となっています。スイッチング電源全般、インバーター応用機器およびDC/DCコンバーターなどに使用されています。

FRD

trrによる損失(逆回復損失)は、周波数が低いと無視できるが、周波数とともに増加し数kHz以上になると無視できなくなります。

第2章 ダイオード

ダイオードの種類
整流ダイオードの働き
整流ダイオードの順方向特性
定電圧ダイオード
ESD保護用ダイオード
ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(1)
ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(2)
可変容量ダイオード
ショットキーバリアダイオード(SBD)
SBDの逆回復特性
SBDの金属による差
各種ダイオードの特性と応用

関連情報