高精細マイクロステップに対応したモータドライバICのサンプル出荷開始について

2018年4月26日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

TB67S128FTG

大電流駆動・高精度制御と省電力化を両立
 

当社は、最大定格50Vで定格電流5A の128 stepマイクロステップに対応したバイポーラ・ステッピングモータドライバ「TB67S128FTG」を開発し、今月末からサンプル出荷を開始します。
 

 3Dプリンタ、OA機器、ATMなどの金融端末や紙幣識別機、遊戯機器、家電などの機器には、高速で高いモータ駆動能力と低消費電力化の両方の対応が求められています。この相反する要求に対応するために、50V/5Aの大電流駆動と当社オリジナルの駆動電流最適化技術であるAGC機能[注1]を融合した新製品を開発しました。
 

一方、近年では機器の高精度動作や静音性も求められてきており、マイクロステップの分解能を当社従来製品の32 stepから128 stepに高精細化し、高精度・低振動化を実現しました。さらに、電流調整機能であるSMD[注2]を採用し、モータに合わせたSMDの設定を選択することにより、効果的に駆動時の騒音・振動を抑えることも可能です。
 

また、当社オリジナルの電流検出技術ACDS[注3]の採用で、ドライバを制御する上で必要な部品数を減らし、システム部品コスト削減、基板パターンの自由度改善に貢献します。
 

新製品の特長

  • 低振動・低騒音化

高精細マイクロステップ(最大128 step)にて高精度動作を実現。当社従来製品[注4](32 step)に比べ低振動化に貢献します。

  • 高トルク化に対応

大電流駆動(50V/5A定格)により、高トルク化に対応。Ron:0.25Ωと低発熱化を実現しています。

  • Motor駆動電流、外付け部品の高効率化

AGC技術を搭載し、脱調抑制と省電力化、ACDS技術による部品レス化、ADMD技術[注5]による電流の追従性Upを実現しています。

  • I/Fの多様化に対応

ユーザー側の信号源に合わせ、CLK入力とSerial入力のどちらかを選択可能。Serial入力による、電流のダイレクトコントロールが可能となります。

  • 異常検出機能の搭載

過熱検出機能、過電流検出機能加え、セット組み立て時のコネクタ未接続防止のため、Motor接続のOPEN検出機能も内蔵しています。機能動作時にエラー(ERR)出力することにより機器の安全性や高信頼性設計のサポートをします。

用途

3Dプリンタ、監視カメラ、電動アクチュエータ、家電(冷蔵庫、エアコン)、産業機器(ATMなどの金融端末、OA機器、FA機器)、遊戯機器(パチンコ、スロットマシン) など

製品の主な仕様

品番
制御I/F CLK、Serial入力の両方に対応。
絶対最大定格

50V、5A

パッケージ QFN64(サイズ: 9mm×9mm×0.9mm、ピンpitch:0.5mm )
その他・特長 高精細マイクロステップ(最大128 step)による高精度動作。
AGC技術によるモータ駆動電流制御の最適化。
ACDS技術による電流センス抵抗レス化。
ADMD技術による電流の追従性Up。
SMD技術による定電流調整。
異常検出機能(過熱・過電流・低電圧・負荷オープン検出機能)搭載。
異常検出フラグ出力機能搭載。
単一電源駆動による電源投入シーケンスフリー。
量産時期

2018年7月末を予定。

[注1] AGC: Active Gain Controlの略。必要トルクに合わせ駆動電流を最適化。脱調抑制と省電力化を実現する当社オリジナル技術。

[注2] SMD: Selectable Mixed Decayの略。使用するモータの特性に合わせて、最適な電流制御を設定できる技術。

[注3] ACDS: Advanced Current Detection Systemの略。電流センス抵抗を使わずにモータに流れる電流を検出できる技術。

[注4]当社従来製品「TB67S249FTG」との比較。 

[注5]ADMD: Advanced Dynamic Mixed Decayの略。Fast Decayと Slow Decayの切り替えを自動で制御・最適化し、更なる高速回転にも対応するMixed decay技術。

新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。

お客様からの製品に関するお問い合わせ先:

ミックスドシグナルIC営業推進部
Tel:044-548-2826

*本資料に掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。