回転速度制御(Closed loop制御)機能内蔵の三相ブラシレスファンモータ用ドライバIC製品化について

2018年3月29日

東芝デバイス&ストレージ株式会社

TC78B025FTG

当社は、家電・産業機器で使われる小型ファンモータ向けに、回転速度制御(Closed loop制御)機能を内蔵した三相ブラシレスモータドライバIC「TC78B025FTG」を製品化し、4月から量産を開始します。
 

サーバファンなどの冷却用ファンは、小型化・高速回転化に加え、回転速度の精度も求められています。電源電圧変動や負荷変動時の回転数変動を抑え、回転速度の精度を上げるには、速度帰還による回転速度制御が適しています。
従来、回転速度制御を実現するためには、マイコンとの組み合わせが必要でした。新製品は、非揮発性メモリ(NVM)を搭載しフレキシブルな回転速度制御を実現しています。このため、外付けのマイコンが不要でシステムを容易に構成できます。
 

また、1センサ駆動システムと電流センス抵抗レスシステムを採用し、外付け部品を削減し基板の省スペース化に貢献します。

さらに、業界トップクラス[注1]の低出力オン抵抗(上下和0.2Ωtyp)を実現し、モータ駆動時のIC自己発熱を抑え、大電流駆動に対応します。

新製品の特長

  • 回転速度制御(Closed loop制御)機能内蔵

速度帰還による回転速度制御機能を内蔵し、電源電圧変動や負荷変動時の回転数変動を抑えられます。非揮発性メモリ(NVM)の搭載により、分速で数百から数万回転まで幅広い範囲の回転速度制御が可能です。

  • 基板の省スペース化、小型化

小型パッケージ(4mm × 4mm)を採用しており、小型ファンの限られた基板スペースへの実装が可能です。また、1センサ駆動と電流センス抵抗レスシステム(ACDS[注2]) を採用し、外付け実装部品の削減に貢献します。

  • 高効率駆動を実現

当社オリジナルのモータ駆動技術(InPAC[注3])を採用することにより、調整の手間をかけることなく幅広い回転領域で適切な駆動を実現し、そのうえ出力オン抵抗が0.2Ω(typ)と小さいためIC動作の自己損失を低く抑え、高効率駆動を実現します。

用途

冷却ファン(サーバ、ゲーム機など)

製品の主な仕様

品番 TC78B025FTG
電源電圧(動作範囲) 4.5 ~ 16V
出力電流(動作範囲)

3.5A (Peak)

駆動方式 正弦波駆動 / 150度通電
その他・特長 出力オン抵抗(上下和):0.2Ω(typ.)
スタンバイ機能

速度制御入力:PWM信号入力/アナログ電圧入力対応

ホール素子/ホールIC対応

異常検出機能:過熱検出、過電流検出、モータロック検出

パッケージ

VQFN24 (4mm×4mm×0.9mm) 

[注1] 4mm×4mmパッケージの12Vファン向け製品において。2018年3月29日現在、当社調べ。

[注2] Advanced Current Detection Systemの略。電流センス抵抗を使わずにモータに流れる電流を検出できる技術。

[注3] Intelligent Phase Controlの略。モータ電圧とモータ電流の位相を自動的に調整し、幅広い回転数範囲でモータ駆動の高効率化を可能にする当社独自の新制御技術。

新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。

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ミックスドシグナルIC営業推進部
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