ワイヤハーネスの削減に貢献する車載CXPI通信ドライバー/レシーバーICの発売

製品情報 2025-03

当社初の車載通信プロトコル規格CXPI (Clock Extension Peripheral Interface) に準拠した物理層インターフェースである車載CXPI通信ドライバー/レシーバーIC 「TB9032FNG」を製品化し、量産出荷を開始しました。新製品TB9032FNG は、CXPIコントローラーを内蔵したMCUと組み合わせることで、CXPI通信を容易に実現します。

近年の自動車電動化の進展に伴い、車載システムにおける電装部品の増加や複雑化が進む中、ワイヤハーネスの増加による車両重量の増大が課題となっています。この課題を解決するため、多重伝送の車載通信技術によりワイヤハーネスを削減できるCXPIは、低コストかつ高応答性を兼ね備えた、車載ボディー系アプリケーションのサブネットワークに適した通信規格として注目されています。
TB9032FNGは、外部端子によりコマンダーノード[注1]とレスポンダーノード[注2]の用途に切り替え可能で、CXPIのいずれのノード用途にも対応します。また、過熱検出、低電圧検出などの異常検出機能を搭載し、車載用途に求められる安全性を確保します。さらに、消費電流 (スリープ) (IBAT_SLP) を標準5μA[注3]に抑え、待機時の低消費力化を実現しました。
また、新製品はCXPI物理層 (PMA[注4]) 試験に対して合格[注5]しており、規格に適合した性能を提供します。さらに、車載電子部品認定規格であるAEC-Q100 (Grade 1) に適合見込です。
パッケージは、標準的なパッケージのSOP8 (6.0×4.9mm) を採用し、限られたスペースに効率的に設置できます。

当社は、拡大するニーズに対応するため、今後も車載ボディー系アプリケーション向けCXPI対応製品を開発し、車載ネットワークソリューションの進化に貢献していきます。

これは、ワイヤハーネスの削減に貢献する車載CXPI通信ドライバー/レシーバーICの製品写真です。

[注1] 通信の制御を行うノード。通信のタイミングを決め、他のノードにデータの送受信を指示します。
[注2] コマンダーノードからの指示に基づいてデータを送受信するノード。
[注3] 測定条件: VVIO=4.5~5.5V、VBAT=7~18V、Ta=-40~125°C、NSLP=L、TXD=H、BUS=VBAT
[注4] PMA (Physical Medium Attachment): ISO 20794で規定される波形整形を司る物理インターフェースのサブレイヤー。
[注5] 第三者機関 (株式会社アドバンスド・データ・コントロールズ様) によるCXPI物理層試験 (ISO 20794-7 [8 Physical layer conformance test plan (PMA - PS separate type)]) に合格。

応用機器

車載機器

  • ボディー系アプリケーション (ステアリングスイッチ、メータークラスタースイッチ、ライトスイッチ、ドアロック、ドアミラー制御など)
  • ゾーンECU[注6]のインターフェース

[注6] ゾーンECU (Electronic Control Unit): 自動車内の物理的な位置に基づいてECUを分類し、通信を管理するアーキテクチャーの1つ。

新製品の主な特長

  • 車載通信プロトコル規格CXPIに準拠した物理層インターフェース
  • 車載ボディー系アプリケーション (ステアリングスイッチ、ライトスイッチなど) に適した高速応答性 (LIN[注7]と比較した場合)
  • 外部端子によりコマンダーノードとレスポンダーノードの用途に切り替え可能
  • 各種異常検出機能 (過熱検出、低電圧検出、ドミナントタイムアウト、過電流制限) 搭載
  • 低消費電流 (スリープ): IBAT_SLP=5μA (typ.)
  • 実装しやすいSOP8パッケージ
  • AEC-Q100 (Grade 1) に適合見込
  • 低EMI、高EMS、耐ESD

[注7] LIN (Local Interconnect Network): CAN[注8]と比較して、低コスト、低速の車載サブネットワーク用の通信規格。
[注8] CAN (Controller Area Network): 主に自動車用の通信ネットワークとして用いられるシリアル通信規格。

新製品の主な仕様

(特に規定しない限り、Ta=-40~125°C)

品番

TB9032FNG

規格

車載通信プロトコル規格CXPI

(JASO D015-1、ISO 20794-4に準拠)

機能

物理層インターフェース

ノード選択

可能

(外部端子によりコマンダーノードとレスポンダーノードに切り替えできます。)

絶対最大定格

電源電圧 1 VBAT (V)

-0.3~40

動作範囲

BAT 正常動作範囲 VBAT (V)

7~18

VIO 正常動作範囲 VVIO (V)

4.5~5.5

動作温度範囲 Ta (°C)

-40~125

消費電流 (スリープ) IBAT_SLP (μA)

Typ.

5

通信速度 (kbps)

Max

20

異常検出機能

過熱検出、低電圧検出、ドミナントタイムアウト、過電流制限

パッケージ

名称

P-SOP8-0405-1.27-002

サイズ (mm)

Typ.

6.0×4.9 (端子部を含む)

信頼性試験

AEC-Q100 (Grade 1) に適合見込

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